現在、多くの企業で「求人を出しても応募者が集まらない」という悩みが深刻化しています。実際、2025年のリクルートの調査によれば66.1%の企業が「予定より選考応募者が少なかった」ことを採用目標未達の原因に挙げています。中途採用市場でも求人倍率は高止まりしており、2024年11月の転職求人倍率は2.82倍と依然売り手市場の状態です。つまり、求職者1人を複数の企業が取り合う状況であり、応募者獲得の競争は非常に激化しています。

こうした環境下では、従来の方法で求人を出すだけでは十分な応募を得られないことも多く、採用担当者は戦略の見直しを迫られています。

本記事では、応募者が増えない主な原因や、あらゆる業種の企業で活用できる応募者を増やす方法を紹介します!

【参考】
・就職みらい研究(https://shushokumirai.recruit.co.jp/white_paper_article/20250220001/)

・みんなの採用部(https://www.neo-career.co.jp/humanresource/knowhow/a-contents-middlecareer-tensyokusizyou-yosoku20240209/)

 

応募者が増えない原因とは?

まず、採用において応募者が思うように増えない原因を確認しましょう。
これらの要因は単独というより複合的に絡み合い、応募数低迷を招いている可能性があります。自社の状況に当てはまる点がないか、チェックしてみてください。

 

求人情報が少ない・更新されていない

求人情報は、会社の魅力を「見える化」して発信することが大切です。求人票の情報量が少なかったり最新の状態に更新されていなかったりすると、求職者は仕事内容や職場の魅力を正しく把握できません。「どんな会社なのか」「どんな雰囲気で働けるのか」といったことが分からなければ、応募意欲を減退させる要因となります。

また、古い情報を使い回している場合も求職者の興味を引けず応募をためらわせてしまいます。例えば、「募集状況が変わっていない=長期間募集をしていて人が集まらない不人気の企業なのかもしれない」と思われたり「採用にあまり積極的ではないのでは?」」と受け取られたりする可能性があります。
こうした印象を持たれてしまうと、せっかく求人情報を見てもらっても、応募にはつながりにくくなります。

ターゲットが不明瞭である

どんな人材に来て欲しいかを明確にしないまま求人を出しても、ターゲット層の心に響くアピールはできません。ターゲット層の興味を引く内容になっていない求人票では、求職者は「自分がその企業に合っているのか」が判断できず応募を控えてしまいます。

「誰に向けて」「何を伝えるか」を徹底的に明確化、言語化することで、応募数だけでなくマッチする応募者の数も増やすことが可能になります。

企業の魅力が伝わっていない

競合他社と比べて仕事内容や企業の魅力が十分伝わっていない場合、せっかく求人を見ても応募に繋がらないことも少なくありません。例えば、職場環境や成長機会など魅力あるポイントが伝わらないと、求職者は他社の求人を選んでしまう傾向があります。

求職者は「良い仕事」だけでなく「良い会社」を探しています。仕事内容や条件を載せるだけでなく、自社で働く魅力が伝わる求人票となるよう工夫することが重要です。

募集条件のミスマッチ

提示している待遇や応募要件が市場のニーズに合っていないと、応募数は伸び悩みます。例えば、仕事内容に対して給料が相場より低かったり、必要な経験や資格が多すぎたりすると、求職者は「自分には合わないかも」「条件が厳しすぎる」と感じて、応募をためらってしまいます。特に経験年数や資格要件を必要以上に厳しくすると応募そのものが敬遠されてしまいがちです。

応募プロセスの問題

応募までの手続きが煩雑だったり対応が遅かったりすると、応募途中で離脱されてしまう原因になります。入力項目の多いエントリーフォームや履歴書・職務経歴書を郵送しなければならない応募プロセスでは、求職者の負担が大きくなり応募前に諦めてしまう人が増えます。

また、応募後の連絡や面接日程の調整が遅かったりすると、志望度が下がり他社へ流れてしまう可能性も高まります。応募のしやすさやスピード感を欠くプロセスは、結果的に応募者数減少を招く大きな要因となります。

求人媒体選定・タイミングが適切でない

どんなに魅力的な求人票を作成しても、それが求職者の目に触れなければ応募にはつながりません。実際、「とりあえず有名な求人媒体に掲載しておけば良いだろう」と思い込み、ターゲットに合った媒体の選定やいつ掲載するかといった見直しが十分に行われていないケースもあります。

特に中小企業や採用専任者がいない企業では、求人広告の運用ノウハウが社内に蓄積されていないため、「媒体頼み・時期任せ」の採用になりがちです。このような状況では、せっかくの求人もターゲット層にリーチできず、応募数が伸びない原因となります。

 

応募者を増やすための具体的な方法5選!

応募者がなかなか集まらないときは、上記の原因をしっかり見直し、そのうえで具体的な対策をとることが大切です。

ここからは、今日から実践できる「応募者を増やすための具体策5選」をご紹介します!

1. 求人票の質を高め魅力的に伝える

応募したくなるような求人票をつくることは、採用活動の土台になります。仕事内容や職場の雰囲気、1日の流れ、働くメリットなどを、できるだけ具体的にイメージしやすく書くことが大切です。例えば仕事内容は、具体的な例を出して説明すると伝わりやすくなります。漠然と「働きやすい職場です」では伝わらないため、「どんな点で働きやすいのか」具体的な制度や取り組みを示すことが重要です。

さらに、社員の成功事例やスキルアップ制度などを盛り込めば、求職者は入社後の自分の成長イメージを描きやすくなり応募意欲が高まるでしょう。大事なのは、「ここで働いてみたい」と思ってもらえるような内容になっているかどうか。求職者の目線に立って、分かりやすく丁寧に伝えることが、応募につながる第一歩になります。

2. 自社の魅力を強化する

求職者に「この会社で働きたい!」と思ってもらうには、自社の魅力をきちんと伝えることが大切です。求人情報内で他社にはない自社の強みや独自の価値をしっかり打ち出しましょう。例えばユニークな福利厚生や柔軟な働き方制度、明確な評価制度、社会貢献の取り組みなど、自社ならではの魅力を具体的に紹介します。特に近年はワークライフバランスや柔軟な勤務形態を重視する求職者が増えており、リモートワークの導入や有給休暇取得推進などの制度は大きな関心を集めています。

さらに、社員インタビューや職場の写真・動画を使って、会社の雰囲気が伝わるようにするのも効果的です。このように待遇以外の部分も含めた包括的な発信によって、自社にマッチする人材からの応募を増やすことが期待できます。

3. 採用条件の見直しをする

応募者数を増やすには、自社の提示している採用条件が適切かどうか定期的に見直すことも必要です。前述の通り、条件が厳しすぎる場合は優秀な人材層を狭めてしまいます。本当に必要な条件だけに絞って、それ以外は「歓迎」や「あれば尚可」といった形にすると、応募のハードルを下げることができます。

また、ポテンシャルや意欲重視で採用する方針を打ち出せば、微経験者でも優秀な人材が「チャレンジしてみよう」と応募してくれる可能性が高まります。さらに、「未経験OK」「まずは見学だけでも歓迎」といった言葉を入れることで、応募を迷っている候補者にアプローチすることができるでしょう。このように、条件を少し柔らかくするだけでも、母集団の幅は大きく広がります。

4. 応募しやすい仕組みで、求職者の負担を減らす

せっかく求人に興味を持ってもらっても、応募の段階で離脱されては意味がありません。そこで応募のしやすさを追求しましょう。応募フォームは必要最小限の項目に絞り、入力しやすいレイアウトにするなど、可能な限り応募者の手間を省き「応募してみようかな」と思った勢いを逃さない工夫が必要です。
また、応募後の連絡もなるべく早く行い、面接の日程などもスムーズに調整しましょう。応募のしやすさやスピード感を意識することで途中離脱を防ぎ、応募者の増加につながります。

5. 採用チャネルを最適化し露出を増やす

「どこで」「どんな方法で」求人を出すかを見直すことも重要です。現在利用している求人媒体が本当にターゲット人材に届いているか見直し、不足があれば新たなチャネルを追加しましょう。求人サイトだけでなく、自社の採用ページや業界に特化したサイト、地域特化型媒体なども活用することで、より多くの人に情報を届けることができます。

また、若年層を中心にSNSは情報収集の主要手段となっているため、積極的に採用活動に取りいれましょう。複数の媒体を組み合わせて求人情報を多角的に露出し自社の求人を知ってもらえるようにすることが、応募者を増やすポイントになります。

 

まとめ

この記事では、採用活動において応募者が増えない主な原因と、すぐに実践できる5つの改善策をご紹介しました。
求人情報の伝え方や媒体の選び方、応募のしやすさ、条件の見直しなど、どれも少し工夫を加えるだけで応募者数に大きな違いが出るポイントばかりです。まずは自社の採用活動を振り返り、できるところから整えていくことが応募者との出会いにつながっていきます。とはいえ、日々の業務のなかで採用に十分な時間をかけるのが難しい、何から着手すべきか迷ってしまう、という採用担当者様もいらっしゃるかもしれません。

株式会社ねこのてでは、求人作成からスカウト配信、応募者対応、進捗管理まで、採用業務全体を一括してサポートしております。さらに、媒体選定やターゲット選定、選考全体の歩留まり改善などといった上流部分のご支援も可能です。

「応募が集まらない」「なにから改善すればよいか分からない」といったお悩みをお持ちの方は、ぜひ一度お気軽にご相談ください。貴社に合わせた採用戦略をご提案し、より効果的で効率的な採用活動をサポートいたします。

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