スカウトメール返信率が劇的に上がる!候補者選定実践法

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スカウトメールの返信率を高めるために重要なのは「誰に送るか」というターゲット選定です。これは採用活動の基本であり、すでに多くの企業が意識しているポイントでしょう。実際、弊社でも別の記事で採用ターゲットの設定方法やスカウト検索条件の効果的な設定方法について解説しています。
ただし、ターゲットを明確にするだけでは返信率の向上には不十分です。候補者が今どのような状況にあるのか、どれだけ転職活動にアクティブなのか、自社にどれほど関心を持っているのか―。こうした要素を加味して候補者を選定することで、返信率はさらに改善できます。
本記事では、アクティブ度や興味関心など「ターゲット設定のその先」にある候補者選定の具体的な視点を紹介。返信率をもう一段階引き上げたい採用担当者の方に、すぐに実践できる内容をお届けします!
スカウトメールの平均返信率と現状
スカウトメールの返信率とは、送信したスカウトメールのうち候補者から返信があった割合を指します(返信率=返信数÷スカウト送信数)。一般的に返信率は2~8%と言われますが、利用する媒体や募集ボジション、ターゲット層などによって異なります。自社の返信率が平均より低い場合、メール内容だけでなく「誰に送っているか」にも目を向ける必要があるでしょう。
近年、ダイレクトリクルーティングが普及する一方で、候補者が受け取るスカウトメールの件数も増加しています。その結果、他社と差別化できる内容や適切なターゲット選定ができていないと、なかなか返信をもらえない状況になっています。スカウトの効果を最大化するには、メールの書き方だけでなく送信相手の選び方にも戦略が必要なのです。
候補者選定とは何か
候補者選定とは、スカウトメールを送る候補者をあらかじめ選別し、自社が求める人材像にマッチしたターゲットに絞り込むことを指します。単に大量の候補者に送るのではなく、条件に合致した人にだけアプローチすることで、効率的かつ効果的な採用活動を実現します。
闇雲に数を打てばどこかに当たるだろう…と手当たり次第に送れば多少の返信は得られるかもしれません。しかし、そうした無差別な大量送信では、ミスマッチな候補者から返信が来て採用にはつながらずリソースの無駄になる恐れがあります。
こうした事態を防ぐために重要なのが候補者選定です。
▼この記事で詳しく採用ターゲットの決め方と効果的なスカウト検索条件のコツを解説しています!
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返信率を上げる候補者選定のポイント
前述の前提を踏まえたうえで重要なのは、「スキルマッチ」だけでなく「返信確度」という視点も加えて候補者を見極めることです。いくらスキルや経験が要件に合っていても、転職意欲が低い方では、返信につながらない可能性が高くなります。そこで注目すべきは、候補者の背景や行動、意欲など、さまざまな要素を掛け合わせて「いま反応が期待できる人」に絞り込むこと。つまり、「同じターゲット像でも、誰がもっとも返信しやすい状態か」という視点です。
ここでは、そうした「返信確度の高い候補者」を見極めるための具体的なポイントを解説していきます!
候補者の活動状況・意欲を考慮した絞り込み
最終ログイン日の確認
候補者の「転職に対する意欲」や「今まさに動いているかどうか」を見極めるうえで、最終ログイン日は非常に重要な判断材料になります。一般にログイン日が新しいユーザーほど積極的に転職サービスを利用しており、長期間ログインのないユーザーの中には既に転職活動を終えている人も少なくないため、最新ログインの候補者を優先してアプローチする方が返信確度も高くなる傾向があります。ただし、最終ログインが古い人すべてが不熱心とも限りません。メール通知だけ確認して良いオファーがあれば動く“潜在層”も存在しますが、全体としてはログインの新しい層の方が反応率は高い傾向にあります。
理想的なのは、「1日以内」にログインしている候補者へ優先的にアプローチすることです。こうした層は活発に情報収集をしており、タイミング次第で即反応につながる可能性があります。とはいえ、ログイン状況は常に変動するため、各媒体を日々回遊しながらアクティブ候補者を見極め、適切なタイミングでスカウトを送るのは採用担当者にとって大きな負担になりがちです。
こうした日々の媒体運用やアクティブ層へのタイムリーなアプローチは、私たち「ねこのて」が得意とする領域です。媒体ごとの仕様やログイン傾向を把握したうえで、返信率の高いタイミングでのスカウト配信を代行しています。
「できれば運用ごと任せたい」と感じた方は、ぜひ一度ご相談ください。
新規登録・プロフィール更新
スカウトメールの返信率を高めるうえで、新規登録者やプロフィールを更新したばかりの候補者に注目することも有効です。これらの候補者は、転職市場においてもっともアクティブな層であり、自身のキャリアや働き方を見直すフェーズにある可能性が高いためです。つまり、企業からのアプローチに対して前向きに反応しやすく、スカウトメールの開封や返信につながる確率が非常に高いと言えます。
特に新規登録直後のタイミングは、候補者が転職検討を開始したタイミングであり、採用側からすると他社に先駆けて接点を持てる貴重なチャンスとなります。
一方、プロフィールの更新は候補者が自身のスキルや職務内容、キャリアの方向性を見直しているサインでもあります。例えば、「職務を詳細に書き直した」「スキル欄をアップデートした」といった変化は、転職活動の本格化を示す指標です。こうした更新情報を検知し、タイムリーにアプローチすることで、「自分のプロフィールをしっかり見てくれている」と候補者に感じさせることができ、信頼感や特別感を生み出すことにもつながります。
候補者の興味・関心で絞り込む
募集ページのブックマーク・閲覧
自社の募集ページをブックマークしたり閲覧したことがあるという行動は、単なる興味関心を超え、「あなたの会社に対して強い関心を持っている」というサインです。このようなアクションを起こした候補者は、スカウトメールに対する反応率が高くなる傾向があるため、タイムリーにアプローチを行うことで返信率の向上が期待できます。
このように興味関心を軸にターゲットを絞ることで、母数は絞られても、質の高い反応を得ることが可能になるのです。
会社フォロー・いいね
候補者が自社の公式ページをフォローしたり、投稿されたコンテンツに「いいね」をするのは、親近感や関心を持っていることの証です。このような候補者は、スカウトメールの開封や返信に対して親和性が高く、その後の選考プロセスでも有意義なやりとりが期待できる層として注目すべき存在です。
ただし注意したいのは、こうした「フォロー」や「いいね」などのアクションは、すべての求人媒体や採用プラットフォームで対応しているわけではないという点です。LinkedInやWantedlyなど、一部のSNS型あるいは双方向性の強いプラットフォームでは、これらのユーザーアクションを取得できる機能が実装されており、候補者の関心度を可視化することが可能です。一方で、Indeedやマイナビ転職のような求人検索型の媒体では、こうしたデータを取得することができない、あるいはそもそもフォローやいいね機能が存在しないこともあります。
だからこそ、自社が活用している媒体において、これらのデータが取得可能であれば最大限に活用しましょう。相手が自社に対して何らかのポジティブなアクションを起こしているということに着目し、それをきっかけに丁寧な接点を築くことが採用成功につながるのです。
▼求人媒体の特徴はこちらで詳しく解説しています!
【保存版】求人媒体比較9選|求人媒体の選定ポイントも解説!
候補者のキャリアや志向性で絞り込む
候補者のこれまでの職歴やキャリアの積み上げ方から、「今どんな転職動機を抱えていそうか(=現職のペイン)」を推測する絞り込みも非常に有効です。
例えば、長年SES企業で客先常駐として働いているエンジニアであれば、「そろそろ自社内で腰を据えて開発に携わりたい」「自社プロダクトに責任を持って取り組みたい」といった志向を持っていることが多く、プロダクト志向の企業からのアプローチは響きやすくなります。一方で、SESを展開している企業が、既に自社プロダクト開発に従事しているエンジニアに声をかけても、転職先としての関心は持たれにくい傾向があります。
また、こうしたペインは一律ではなく、より細分化された事情を抱えているケースも少なくありません。例えば、自社プロダクトの開発に携わっているエンジニアでも、「技術的なチャレンジが少ない」「昇進の機会が限られており、マネジメントに挑戦できない」「プロダクトや事業への共感度が低い」「開発よりも調整業務ばかりで技術に触れられていない」といった、不満や行き詰まりを感じている可能性があります。
このように、スキルや経歴の表面だけでなく、キャリア選択の背景にある価値観や志向性、候補者が現在置かれている環境まで想像を巡らせることで、スカウトメールの訴求力が高まり返信率の向上につながります。
直近の転職時期
直近の転職時期にも目を配りましょう。現在離職中の方や退職して間もない方は、次の職場を早く決めたい傾向があるためスカウトへの反応も早い傾向があります。
一方で、登録者の中にはごく最近転職したばかりの人もいます。一般的に前職から半年以内で再転職を検討している人は企業側も躊躇する傾向がありますが、なかには本当に転職に失敗してしまった人もいるでしょう。例えば、前職で数年の経験を積んでスキルも実績もついた後に転職したが、思ったような環境ではなく再転職を検討しているケースもあり得ます。そのため、直近の転職歴だけで一律に除外するのではなく、それ以前の在籍年数やキャリアも考慮して判断することが重要です。
例)前職5年勤務で直近転職後半年ならスカウト送付検討、前職10年以上勤務で直近転職後すぐ離職という人は慎重に見極める、など
このように、年収・勤務地・ログイン日・転職歴といった候補者の状況を示す重要な条件は、検索段階でしっかり見極めることで返信率の高い母集団形成に繋がります。
自社に合った候補者選定できていますか?
候補者のアクティブ度や興味関心などを活用した候補者選定は、スカウト返信率の向上に直結します。しかし実際には「社内にノウハウがなく、どう運用して良いかわからない」「媒体ごとの検索条件をうまく活かせていない」といった悩みを抱える企業も少なくありません。
株式会社ねこのてでは、スカウト運用・候補者検索・返信率改善まで含めた採用支援のプロフェッショナルとして、数多くの企業様をご支援してきました。
媒体ごとの傾向を踏まえたターゲット抽出、ペルソナの再定義、アクティブユーザーの絞り込み、メッセージ文面の最適化まで、現場実装を見据えた運用提案が可能です。ぜひお気軽にご相談ください!
まとめ
「スカウト返信率が伸びない…」とお悩みなら、まずは送信相手の選定方法を見直してみましょう。本記事で述べたように、候補者選定の工夫が返信率アップの大きなポイントです。転職市場で“今”動きがありそうなアクティブ層や自社に興味を示している層にフォーカスすれば、返信率は格段に上がるでしょう。また、絞り込んだ候補者にはパーソナライズした文面を送ることで返信率がさらに向上します。
スカウト施策を単なる送信業務として捉えるのではなく戦略的アプローチとして再設計することが、これからの採用活動には求められています。