【2025年版】中小企業採用で使える助成金5選

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人手不足が続く中小企業では、人員確保及びそれに伴う採用コスト削減が大きな課題です。人材確保や育成にはコストがかかるため、政府は人材確保を支援する助成金を複数用意しています。しかし、助成金にはさまざまな種類や条件があり、どれを活用すれば良いか、また申請手続きや注意点がわからない経営者も多いでしょう。
本記事では、中小企業が採用・雇用支援に活用できる助成金を5選紹介し、申請時のステップや注意点まで解説します!
雇用関係助成金とは?
雇用関係助成金は、企業が新たに従業員を雇い入れる際に国から支給される返済不要の支援金です。厚生労働省では雇用の促進や労働環境の改善を目的とした「雇用関係助成金」と位置づけており、中小企業の人材採用を支援する重要な制度となっています。雇用関係助成金を活用すれば採用コストの抑制が期待できるため、特に人材確保に課題を抱える中小企業にとって大きなメリットとなります。
知らないと損!採用に活用できる助成金5選
採用活動を行う中小企業が利用できる助成金は、支援の対象となる人材の属性や企業が行う取り組みによって、種類や条件が異なります。ここからは、中小企業が採用で利用可能な5つの助成金制度について、それぞれの特徴を解説します。
※各助成金の要点を抜粋してご紹介しています。詳細や最新情報は厚生労働省の公式ページをご確認ください。
参考ページ:厚生労働省|雇用関係助成金一覧
トライアル雇用助成金
トライアル雇用助成金は、ハローワークの紹介により就職に不利な状況にある求職者(長期離職者、母子家庭の母など)を常用雇用(無期・週30時間以上)への移行を前提に、3か月以内の期間を定めて試行的に雇用した事業主を支援する制度です。助成の対象はトライアル雇用を行った期間中で、雇入れ日から最長3か月になります。まさに「段階を踏んで適性を見極めたい」という企業に適した制度です。
トライアル雇用助成金のコースと概要、支給額は以下になります。
キャリアアップ助成金
キャリアアップ助成金は、非正規雇用労働者(契約社員・派遣・パートなど)を正社員化したり賃金を改善したりした際に事業主に支給される制度です。主に「正社員化支援」「処遇改善支援」の2種類に大別され、合計7つのコースがあります。応募前に「キャリアアップ計画」を作成、提出しなければならず、計画認定後に条件を満たせば助成を受けられます。
ここでは、採用に関する「正社員化支援」の2つのコースの概要と支給額を解説します。
※重点支援対象者:雇用から3年以上経過した有期雇用労働者や、一定の条件を満たす就職困難者などが該当。詳細は以下をご覧ください。
参考:厚生労働省|「キャリアアップ助成金のご案内(令和7年度版)」
特定求職者雇用開発助成金
特定求職者雇用開発助成金は、高齢者・障害者・母子家庭の母など就職が困難な方(就職困難者)をハローワーク等の紹介で継続雇用した場合に支給される助成金です。複数のコースがあり、対象者に応じて受給額が変わります。
特定求職者雇用開発助成金は5つのコースがあり、概要は以下です。
支給額は、例えば特定就職困難者コースでは、60歳以上の高年齢者を継続して雇用する労働者(雇用保険の一般被保険者)として雇い入れると最大60万円(1年分)が受け取れます。障害者やシングルマザーなどの場合もコースが分かれており、いずれも数十万円の助成額です。なお週20時間以上勤務の短時間労働者も対象になり、要件を満たせば助成額が増額されるケースもあります。
早期再就職支援等助成金
早期再就職支援等助成金は、離職者の早期再就職の促進を行う事業主を助成する制度です。雇い入れ支援コースでは、離職後3ヶ月以内に無期雇用で採用し継続雇用すれば助成金が出ます。他にも中途採用拡大コースやUIJターンコースなどがあり、中途採用者の受け入れ制度を整備した企業が対象になります。
早期再就職支援等助成金は4つのコースがあります。
代表的な雇い入れ支援コースでは、1人当たり30~40万円の助成(通常/優遇)を受けられます。例えば、特定の事業所で離職した人材を再雇用し、一定の訓練を実施すると助成額がさらに上乗せされます。早期再就職支援は、業績悪化で離職者が出た企業の再建策としても活用されています。
地域雇用開発助成金
地域雇用開発助成金は、特に雇用情勢が厳しい地域で新たに事業所を設置し、従業員を雇用した場合に支給される制度です。地域活性化を目的とし、地域拠点の整備や地方への事業展開を支援します。埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、愛知県及び大阪府は対象地域外となります。
本制度には2つのコースが用意されています。
(事業実施地域が沖縄県以外の場合は、「地域雇用開発コース」のみの利用となる)
メインとなる地域雇用開発コースの受給金額は、計画日から完了日までの間に要した事業所の設置・整備費用と増加した対象労働者の数により変動しますが、50万円〜最大800万円となります。
※詳しくは以下をご参照ください。
助成金申請のステップと注意点
助成金を申請するには、まずハローワークで対象者の紹介を受けたり採用計画について相談します。多くの助成金は事前準備が必要で、例えばキャリアアップ助成金の場合は「キャリアアップ計画」を作成・提出する必要があります。計画認定後、要件を満たすように採用・雇用管理を実施し、所定の書類(雇用契約書や賃金台帳など)を整えて申請します。手続きの流れは助成金ごとに異なるため、ハローワークで詳細を確認することが重要です。
また、申請に当たっては、雇用保険への加入や労働基準法の遵守、規定書類の整備が必須です。不備のある申請や後から不正が発覚した場合は支給取消しとなるので、労働局が公開するチェックリストを活用して書類を丁寧に作成しましょう。さらに、期限内に申請することや、支給対象期間を過ぎないよう注意も必要です。
助成金×採用設計のご相談は「ねこのて」へ
本記事で紹介した5つの助成金は、雇入れ前の計画提出やハローワーク紹介の活用など、事前の段取りが成果を左右します。
私たち「ねこのて」は、採用戦略と同時に助成金の対象要件の当てはめ、スケジュール逆算、必要書類の整理を並走させることで、採用コストの最適化を実現します。制度は改定が入るため、最新条件を踏まえた実行計画づくりからお任せください。
まとめ
中小企業にとって採用コストは大きな負担ですが、国の雇用関係助成金を活用することで費用を大幅に削減できます。各助成金は対象となる人材や要件はそれぞれ異なるため、ハローワークに相談して自社に合った助成金を選びましょう。助成金を受給するには事前の手続きや条件確認が必要ですが、適切に活用すれば採用活動を大きく支援してくれます。